阿波木偶箱まわし

 京都徳島県人会の皆さん、こんにちは。

 夏本番を迎えましたが、皆様は元気にお過ごしでしょうか?

 

 祇園祭が今年から前祭、後祭と、クライマックスが2部構成になり、暑い夏の行事をより多くの人に楽しんで頂けるようになりました。

 これから行われる後祭は49年ぶりに復活、しかも久々の登場となる大船鉾は150年ぶりということで、期待が高まっているところです。

 

 さて、去る7月13日には京都徳島県人会の50周年記念祝賀会を無事盛大に実施できました。

 徳島の地を離れ、京都に新たな50年もの歴史を作ってこられた先人に感謝し、また今後も会を育てていくことを誓う会でもありました。

 

 そんなお祝いの場にふさわしく、華を添えて頂いたのが阿波木偶箱まわしでした。ここで少し阿波木偶箱まわしについて知って頂きましょう。

 

 徳島では人形浄瑠璃芝居が人気で、幕末から明治期に全盛期を迎えました。

 一方で箱廻しは、庶民の楽しみとして、町中の芝居小屋や農村舞台で演じられた「絵本太閤(功)記」や「傾城阿波鳴門」などの人気外題を、路傍で演じた道の芸です。

 ふたつの木箱に数体の木偶を入れ、天秤棒で担ぎ移動して各地を回りました。箱廻しは、通常2、3人で稼働し、ひとりで一体の木偶を操りながら浄瑠璃を語ります。彼らは、徳島から全国に阿波の人形文化を運びました。

 明治初年の箱廻し芸人は200人を数えたといわれていますが、太平洋戦争の頃にはほとんど姿を消しました。

 正月の祝福の門付け芸といえば、その代表が「三番叟まわし」です。徳島では、近年まで正月儀礼として三番叟まわしを迎えていましたが、1960年代以降にはほとんど見られなくなりました。

 今は阿波木偶箱まわし保存会の方たちが全国各地で公演活動を行いながら、技術を伝承し、保存活動に努めておられます。

 

 50周年記念祝賀会においても、国家安泰・五穀豊穣・無病息災・家内安全などをお祈り頂きました。

 こんなめでたい、ありがたい徳島の独特の文化を伝承し続けて頂きたいですし、また機会を作ってお目にかかりたいものですね。

 

HP 阿波木偶箱まわし保存会(芝原生活文化研究所)